近年、フリーランスとして働く方が増えています。フリーランスは働く場所や時間を自ら選択できるため、「自由な働き方」として注目を集めています。アパレル業界でも例外ではなく、職場環境にしばれず独立した販売員として働けるため、魅力的な選択肢となっています。
しかし、いざアパレル販売員のフリーランスになろうとする場合、どうやって仕事を獲得すれば良いのかわからない方も多いでしょう。また、フリーランスのアパレル販売員にはメリットだけではなくデメリットもあるため、あらかじめリスクを念頭におく必要があります。
そこでこの記事では、フリーランスのアパレル販売員になる方法から、メリット・デメリットまで詳しく解説します。フリーランスのアパレル販売員に興味がある方は、ぜひご覧ください。
フリーランスのアパレル販売員とは?
フリーランスとは、企業や団体に所属せずに、自身のスキルを提供することで仕事を請け負う働き方です。企業と業務委託契約を交わした上で、契約内容にもとづいた業務を行うことで、報酬を得ることができます。
フリーランスといえば、カメラマン、デザイナー、システムエンジニア、ライターなどのイメージが強いですが、近年はアパレル業界でもフリーランスとして働く方が増えています。
これまでアパレル販売員として働くには、アパレルメーカーと雇用契約を交わし正社員やアルバイトとして働くか、派遣会社に所属して就業先を紹介してもらうことが大半でした。
しかし、人々の価値観の変化やオンラインサービスの普及により、新しい選択肢としてフリーランスのアパレル販売員としての働き方が注目されつつあります。
フリーランスアパレル販売員のメリット
フリーランスのアパレル販売員として働くことにはどういったメリットがあるのでしょうか。具体的な内容を見ていきましょう。
柔軟な働き方が可能
フリーランスのアパレル販売員は、働く時間、日程、業務内容などを自由に調整できます。例えば、正社員として働く場合は、1日8時間・週5日勤務が基本となりますが、フリーランスの場合はすべてが自由です。
いつ仕事をするか、休みを取るかも自由なので、職場環境にしばられない働き方をしたい方におすすめです。その他、育児や介護などで働く時間に制約がある方でも、空いた時間に効率的に働くことができます。
複数の仕事を掛け持ちできる
「自由業」とも呼ばれるフリーランスは、複数の案件や異なる仕事を掛け合わせて働くことができます。企業に所属して販売員として働く場合は、基本的に働く場所やブランド、仕事内容は限定されます。
一方フリーランスの場合は、ブランドや働く場所、仕事内容を自由に選択できます。例えば、販売員としての仕事をしながら、ファッション誌のライターやスタイリストとして働くことも可能です。多彩な経験を積むことで、自分だけの強みやスキルを磨くことができます。
業務やスキルに応じた報酬を得られる
フリーランスは、自分の技能を提供することで報酬を得ることができます。そのため、自身のスキルの高さに応じて、それに見合った報酬額を得ることができます。スキル次第では正社員よりも大きく収入を得ることが可能です。
一方、正社員やアルバイト、派遣の場合は働いた時間に対して報酬が支払われます。もちろん、スキルや役職に応じて時間あたりの単価が上がることもありますが、昇給のタイミングは年に数回ですので、短期間で大きく単価を上げることは現実的には難しいでしょう。
個人事業主として活躍できる
フリーランス=個人事業主と思われる方も少なくありませんが、両者は意味合いが大きく異なります。フリーランスとは、特定の企業などと雇用契約を交わさずに、個人として独立して仕事を請け負うことで「働き方」を表す言葉です。
一方、個人事業主は税務署に開業届を出すことで、税務上の区分として個人で事業を営むことを指します。つまり、フリーランスであっても開業届を出さなければ、個人事業主ではありません。
しかし、個人事業主になることで、青色申告をしたり、業務上必要な費用(交通費、通信費など)は経費として計上できるため、節税メリットが大きくなります。
フリーランスアパレル販売員のデメリット
フリーランスのアパレル販売員として働くことは、時間や環境にしばられず自由に働けるといった魅力があります。一方、自由であるがゆえに、何か問題やトラブルが発生した際は「自己責任」として向き合わなければなりません。具体的なデメリットについて解説します。
安定した収入を得にくい
正社員やアルバイト、派遣社員の場合は企業と雇用契約を交わすため、労働基準法が適用されます。そのため、最低賃金や労働時間の制約などが発生します。特に正社員の場合や余程のことがなければ、解雇されることもありません。
一方、フリーランスは労働基準法の適用を一切受けませんので、契約が終了となった時点で仕事がなくなってしまいます。仮に請け負っている仕事が1社に依存している場合は、その企業からの仕事が途切れた時点で報酬がゼロになります。
そのため、フリーランスとして活躍する場合は、複数のクライアントを獲得したり、ジャンルが異なる業務をこなしたりして、リスクを分散させることがおすすめです。
社会保障がない
正社員やアルバイトの場合は、各種社会保険(雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金)に加入します。保険料も雇用側が半分支払ってくれます。一方、フリーランスの場合はそうした保障が一切ないため、自分で加入しなければなりません。保険料も全額自分で支払わなければならないため、家計の負担も大きくなります。
自分で案件獲得する必要がある
フリーランスの場合は、自身で案件を獲得する必要があります。持っているスキルや実績、強みなどをアピールして企業に売り込むことで、業務委託契約に繋げていきます。報酬額や業務内容もあらかじめ決めることが必要になるため、営業力・交渉力が求められます。
また、SNSを活用して積極的に情報発信をすることで企業から直接オファーを獲得する方も増えていますので、セルフプロデュース力も重要です。
近年では、フリーランスと企業をマッチングするマッチングプラットフォームや、フリーランス専門エージェントサービスも登場していますので、そうしたサービスに登録しておくことで効率的な案件獲得が期待できるでしょう。
継続的なスキルアップが必要
フリーランスは自由度が高い働き方を実践できるのが魅力ですが、裏を返せば自己管理能力(セルフマネジメント力)が求められます。いつ仕事をするか休むかも自分次第。仕事がなければ生活に支障をきたしますし、一方仕事を詰め込み過ぎて体調を崩す可能性もあります。また、常に仕事が安定するとは限らず、売上(報酬)は毎月変動します。
見込んでいた案件がなくなるなど、想定外の事態は度々起こります。そうした不安定の中で自らの意志と行動力で安定化させていくことが求められます。
また、クライアントはフリーランスのスキル・能力を見込んで契約をしてくれるため、継続的なスキルアップは欠かせません。なぜなら、あなたの他にもフリーランス人材は沢山いるからです。周囲のライバルに負けずに、自分が選ばれ続けるためにも新しい情報のキャッチアップや能力開発など、常にスキルアップは欠かせません。
フリーランスのアパレル販売員になる方法
フリーランスのアパレル販売員に興味はあるものの、具体的にどうやってなれば良いかわからない方も多いでしょう。ここでは、フリーランスのアパレル販売員になる方法について解説していきます。
必要なスキルや資格は?
フリーランスのアパレル販売員になるには、何か資格を取得したり、特別な技術を習得したりする必要はありません。弁護士や医師などの専門職種と異なり、フリーランスアパレル販売員として働くことに条件はないため、あなたが「フリーランスとして働く!」と決断すれば、フリーランスのアパレル販売員になれます。
ただし、仕事を獲得するためには、フリーランスのアパレル販売員を探している企業を見つけて、自ら売り込むことが必要です。「この人に仕事を依頼したい!」と感じてもらえるような、自分自身の強みを整理することも大切です。
フリーランスとして働くための手続きとは?
先述したとおり、フリーランスのアパレル販売員として働くのであれば、特別な手続きは不要です。ただし、個人事業主として開業したい方は、「開業手続き」が必要です。特に所得税の青色申告をしたい場合は、開業手続きを必ず行わなければなりません。
開業手続きをするには、開業したら1ヶ月以内に、納税地の税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。(青色申告申請は開業から2ヶ月以内)
開業手続きはe-TAXでも行えますが、直接税務署に行ったほうがその場で色々教えてくれます。さほど時間も掛からないため、時間を見つけて訪問しましょう。
フリーランスアパレル販売員の案件を獲得する方法とは?
フリーランスのアパレル販売員で働くためには案件を獲得する必要がありますが、具体的にどこから見つければ良いのかわからない方も多いでしょう。
直接アパレルブランドに電話したり訪問したりして、積極的に売り込むという方法もありますが、営業活動に苦手意識を持つ方にとってはハードルが高いと感じるはずです。
効率的に案件を獲得するには、オンラインサービスの活用がおすすめです。
例えば、Indeedを使って業務委託のアパレル販売員案件を見つけることができます。
・キーワード「アパレル販売」を入力
・雇用形態「業務委託」を選択
参考:Indeed「アパレル販売員 業務委託」
スキルシェアサービスの「ココナラ」では、ファッションセンスを活かしてスタイリングコーディネートサービスを出品することができます。ココナラではアイデアひとつで様々なサービスを出品できるので、副業にもおすすめです。
参考:ココナラ「スタイリングコーディネート」
マッチングサービスの「MESH Well」は、フリーランスアパレル販売員として働きたい人と、ブランド販売店をつなぐマッチングプラットフォームです。販売員としての経験を問わず無料で登録できるので、フリーランスアパレル販売員として働きたい方は、登録だけでもしておくと良いかもしれません。
ここで挙げた以外にも、SNSやオンラインサービスがあるので、色々調べてみると自分にあった仕事の探し方が見つかります。それぞれサービスによって特徴が異なりますが、どれが自分に合うかはその人の置かれている状況によって異なります。そのため、まずは実際に試してみながら、自分にあった方法を見つけてみてください。
フリーランスが不安な方は、派遣販売員の働き方がおすすめ!
「フリーランスの魅力はわかったけど上手くいくか不安」「正社員のまま会社に縛られ過ぎるのも正直辛い」といったように、フリーランスになるか正社員で居続けるか葛藤している方は、派遣のアパレル販売員としての働き方もおすすめです。
派遣のアパレル販売員は、派遣会社と雇用契約を交わし、派遣先で働く形態です。社会保険や有給もありますし、残業をすれば残業代も支給されます。
一方仕事内容については、あらかじめ契約で交わした業務だけを行うため、余分な業務を押し付けられることもありません。正社員と異なり副業規定もないので、派遣で就業する以外の時間は他の仕事を掛け持ちすることも可能です。
そのため、「将来はフリーランスのアパレル販売員一本で独立したい!」という方でも軌道に乗るまでは、派遣の仕事で生活のベースを作ることができます。
また、フリーランスのアパレル販売員になったものの、仕事が減ってしまったという場合でも派遣販売員として働くことも可能です。このように、フリーランス業との組み合わせも可能なので、上手く組み合わせることで生活を安定させることが可能です。
まとめ
今回はフリーランスのアパレル販売員について、メリットやデメリット、仕事の探し方まで解説しました。価値観の多様化やライフスタイルの変化により、同じ職場で働き続けることよりも、複数の仕事を掛け持ちしたり、働く時間や場所を自らデザインする自由な働き方が注目されています。
しかし、フリーランスのアパレル販売員として働くのは自由な反面、自己責任で向き合わなければならない課題も少なくありません。想定外の事態に巻き込まれる可能性もあるため、いきなりフリーランスとしてチャレンジするのはリスクも高いでしょう。
そのため、まずは小さく環境を変えて徐々にステップアップをしながら、最終的にフリーランスとして自立することをおすすめします。また、フリーランスになると一人で何事も進めなければならないため、相談先がないことに不安を感じる方も多いはずです。
もし、フリーランスのアパレル販売員になるために、まずは派遣社員としてステップアップを希望している方は、当社にお気軽にご相談ください。当社は、アパレル販売専門の人材会社として、アパレル販売員してキャリアを築きたい方をサポートします。興味をお持ちの方は以下よりお気軽にお問い合わせください。